
不老泉
銘柄の由来は、初代が蔵の敷地内に井戸を掘った際に、清水と共に地蔵尊が出てきたことから、この水を「不老の泉」と命名。文久2年(1862)に創業し、天然の微生物を生かす山廃造りや酵母無添加の酒を醸す、昔ながらの造り方を貫く蔵である。 驚くべきは、いまや全国でも数社しか採用していない希少な上槽法である“木槽天秤搾り”を使う点だ。これは、重石をつけた縦3.5メートル、高さ1.2メートルもの木製の天秤で、もろみ入りの酒袋を重ねた木槽の上に設置し、天秤の原理で酒を3日間もかけてじっくりそっと搾る方法。しかも、時間をかけて搾るゆえ酒化率(使用する白米からお酒がとれる比率)が悪いにもかかわらず、普通酒から純米大吟醸まで全量をこの上槽法で搾るという手間をかけるこだわりようだ。 そうやった甲斐があり、酒は雑味がなくシルクのような、なめらかな口当たりに。「不老泉」は熟成タイプが多いが、旨みがたっぷりでしっかりした飲み口が特徴だ。それに加えて、購入した後も良い熟成が続くのが嬉しい。熟成することで味わいが開いて深くなり、時間が経ってもくたびれることなく、艶やかで美しい酒質を保っている。ぜひ常温か燗酒でちびちびとやりたい。









