
宗玄
酒銘は江戸中期の創業者・宗玄忠五郎の苗字に由来し、酒蔵所在地の地名もまた「宗玄」である。戦国時代上杉氏の城攻めに遭い逃れてきた畠山氏が、後に改姓し酒造業を興したと伝えられ、以後約250年にわたり能登を代表する地酒として絶対的な支持を集めてきた。 酒蔵が位置する能登半島突端部珠洲市周辺は、能登杜氏の出身地の中心地であり、その発祥もまたこの蔵だといわれている。忠五郎の子孫が当時の酒造先進地・伊丹に修行に出かけ、習得した技術を伝えたという。 もちろんこの蔵で代々酒造りを預かってきたのも能登杜氏だ。漁業や農業を営む地元の人達の嗜好に合わせ、どちらかといえば普通酒主体で味の多い酒質に特徴があったが、最近は特定名称酒にも力を入れていてしっかりとした味わいとともに洗練された酒質が多くなっている。屈指の名人と謳われる坂口幸夫杜氏の技量の高さが発揮されているといえるだろう。 酒蔵のすぐ裏を通っていた「のと鉄道」が廃止され、そのトンネルは酒の貯蔵庫として活用されている。「隧道蔵」と名付けられ、ここで熟成された酒はオーナー制度を導入し販売されている。
