
天狗舞
山廃仕込の代名詞と知られていますが、この銘柄が広く知られるきっかけとなったのは、吟醸酒の産地として北陸三県が注目を集めた昭和50年代にさかのぼります。後に「きょうかい14号酵母」として全国に頒布される「金沢酵母」を使い、能登杜氏四天王と呼ばれた名杜氏の一人、中三郎杜氏の活躍により、ひときわ薫り高くエレガントな酒質が評判を呼びました。「天狗舞」はその後の吟醸酒ブームを起こす原動力となりました。 華やかで洗練された吟醸酒とは異なり、濃醇で複雑な味の構成を見せる山廃仕込は、いわば正反対の酒質です。相反する2つのタイプでそれぞれの特徴を活かした銘酒を送り出すところに、能登流の高い技術を垣間見ることができます。2020年には新しく石川県独自の酒造好適米「百万石乃白(しろ)」が開発され、この米を用いた純米大吟醸酒などを商品化。絢爛な文化が栄えた加賀藩を象徴するかのような、繊細さと雅やかなイメージを感じさせ、新たな境地を開いています。剛柔取り混ぜた各種の製品は、進化をとげながら独自の存在感を放っています。



