
越乃景虎
新潟でも有数の豪雪地帯である長岡市に「越乃景虎」を造る諸橋酒造が生まれたのは弘化4年。越後の名将・上杉謙信が、酒蔵がある長尾市(旧板尾市)で青年期を過ごした際に名乗っていた“長尾景虎”を銘柄の由来とする。かつてブームを巻き起こした、新潟の淡麗辛口酒の一つとして名が広まった「越乃景虎」は、今も地元のみならず都心部でも根強いファンに支持される酒だ。 酒質は控えめで、今の多彩な味わいで溢れる日本酒界では目立つ存在ではない。しかし、なめらかな旨みとキレ味の調和は見事で、一本筋が通ったような端正な印象が清々しい。つまみはふだんの食卓にのぼる家庭の惣菜から、さばきたての刺身や青菜の煮浸し、揚げ出し豆腐、魚の煮つけなど居酒屋のちょっと手がかかった一品まで、素朴な和食にぴったり。 飽きることなくいつまでもおかわりしたくなる愛酒家好みの味わいだ。とくに本醸造や普通酒のクオリティが素晴らしい。安価な酒でも手を抜かず、丁寧に酒を醸す酒蔵の姿勢が伝わってくる。冷酒から常温、燗酒など、季節によって好きな温度帯で楽しめるのも嬉しい。


