
巌
漢字一文字でかつ重厚な印象の銘柄は、以前から異彩を放ってきました。日清日露戦争で功績を上げた大山巖元帥から命名されています。北関東に多い江州店(近江商人による経営)で、三重県の県庁所在地・津駅の近くに「神府」という兄弟蔵ももっていました。昭和末期にこの蔵を閉じて製造拠点を1カ所に集約する目的もあり、藤岡市内で操業していた酒蔵を、現在の鮎川沿いの土地に新築移転しました。その際、近江商人の旅装束に身を包み、荷車で酒樽などを積みながら引っ越しをする光景がテレビで放映され、大いに話題となったものです。 酒質は7号、9号といったスタンダードの酵母を使用し、現代のトレンドからすると幾分おとなしい感があります。また銘柄から受ける力強いイメージよりも、穏やかですっきりしたタッチの酒が多い。しかしながら落ち着いた風味の中に、しっかりとした味を備えた実力派という感じです。長らく越後杜氏が造りにあたってきたこともあり、「五百万石」を使った酒にも定評があります。


