
光栄菊
昨今、休蔵していた酒蔵が異業種に経営譲渡する動きが活発化しているが、「光栄菊」もオーナーが変わり新しいブランドとして誕生した銘柄だ。立ち上げたのは、NHKの番組制作に携わっていた、元テレビマン・日下智さんと田下裕也さんの異色コンビ。番組で各地の日本酒蔵を訪れているうちに、日本酒を造る酒蔵を手がけたいと熱望したことが端緒である。 様々な場所が候補に上がるが、2008年に廃業した佐賀県小城市にある酒蔵を譲り受けた。杜氏は、すでに熱狂的なファンを獲得していた「菊鷹」の元杜氏の山本克明さんに白羽の矢が立つ。老朽化した酒蔵を大規模に改修し、大変な労苦の末に辿り着いた初搾りは2019年12月。初リリースにもかかわらず日本酒業界で注目を集めた稀有な銘柄で、瞬く間に人気銘柄への階段を駆け上る。異業種参入の成功事例として今も話題にのぼる酒蔵である。 酒質は全体的にポップで若い印象。凝縮されたフレッシュな甘みや、果実を思わせる酸味が特徴で余韻は軽め。ほとんどを無濾過生原酒で仕上げているが、定番の特別純米の他、天然の乳酸菌を使った酒や樽熟成酒など、いろんな製法に挑戦している。
