
獺祭
いまや日本酒ファンのみならず多くの酒好きに全国区で名前を知られる「獺祭」の初リリースは平成2年(1990)。かつてのキャッチフレーズである「山奥の小さな酒蔵」から想像される通り、元々はどこにでもある地方の小規模メーカーだったが、そんな酒蔵を抜本的に変えたのは、日本酒愛好家はご存知、3代目の現会長・桜井博志さんだ。 「酔うための酒ではなく味わうための酒」を目標に掲げ、すべてのラインナップを山田錦のみを使った純米大吟醸造りへシフト。日本酒業界ではいち早く先代から続いた杜氏制度を廃止し、社長と社員による酒造りのスタイルを確立した。杜氏の経験値や感覚のみに頼る酒造りから、データを活用した安定的な酒造りへ。そうやって生み出された「獺祭」は、軽快な透明感と凝縮された米の甘みが際立つ洗練された酒として人気を博す。現在は、大手メーカーとも肩を並べるほどの製造量を誇り、その人気は海外へと広がる。 2023年9月にはアメリカのニューヨーク州に酒蔵が完成。「獺祭」と同じく純米大吟醸のみを醸す新ブランド「DASSAI BLUE」を誕生させた。今後は昨今栽培中のアメリカ産の山田錦を使った酒造りにも積極的に挑戦。消費が低迷する日本酒の世界でも成長著しい酒蔵で、国内のみならず世界市場でも注目されている。

