
黒牛
創業は慶応2年。かつて万葉集で“黒牛潟”と詠まれたエリアに蔵があり、黒い牛の形をした岩が付近にあったことも、銘柄誕生の由来だと言われている。名水にも恵まれた土地で、紀州名水に選ばれた“万葉黒牛の水”と同じ水脈の井戸水を仕込みに使用。海が近い土地柄、ミネラルが豊富に含まれた硬水タイプで軟水に比べて発酵力が強いのが特徴だ。 その発酵力を生かして造るのは、旨みたっぷりのコクがある酒質。どっしりとしたキレがある男酒である。磯の香りが強い魚介類と合わせたくなる旨口で、キリッと強めに冷やしてじっくり飲みたくなる。酒の温度が上昇するとともに、じわじわひらいていく旨みも飲みごたえがあり、これぞ和歌山の地酒といったような朴訥とした味わいだ。 流行り廃りに惑わされず、いつ飲んでもその酒質がブレないのは、蔵元・名手孝和氏の強い理念はもちろんのこと、平成11年に入社し、平成23年に杜氏となった岡井勝彦氏が「黒牛」一筋に、長年かけて築き上げてきた研鑽の賜物である。今後ますます研ぎ澄まされていくであろう酒から目が離せない。



